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委託販売と受託販売、委託買付と受託買付の比較【日商簿記2級・仕訳過去問の解き方特商】

こんにちは!

今回は日商2級でよく出題される「特殊商品売買」についてです。

特殊商品売買の中でも、委託販売受託販売委託買付受託買付の4つは言葉が似ていて紛らわしいですね。

今回はこの4つを比較しながらポイントを整理しておきましょう!!

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委託販売と受託販売

委託販売は、他社に商品の販売を委託(お願い)することです。

委託販売では委託先である他社に送った商品を積送品とし、手許の商品と区別します。

これに対して、受託販売は、他社から商品の販売を委託(お願い)されることです。

お客さんに商品を直接手渡すのは受託者だとしても、あくまでも取引の当事者は委託者と顧客で、受託者は取引の当事者とはなれません。

仕訳で比較してみましょう。

受託者が委託者から商品を受け取ったとき

取引1:委託者は商品¥1,000を受託者に送付した。発送運賃¥50は受託者が立替え払いしている。
委託者の仕訳
(借方) 積送品 1,000
  (貸方) 仕 入 1,000
ポイント いたくはんばいせきそうひん

です。

受託者の仕訳
(借方) 受託販売 50
  (貸方) 現 金 50

受託者が委託者から商品を受け取ったとき、受託者側は特に会計処理(仕訳)を行いません。この商品は、委託者がお客さんに対して販売するもので受託者はその取引の当事者ではないからです。

ただ、商品を受け取る際に運賃を立て替えたときは、立替え分について受託販売勘定で仕訳を行います。

受託者が商品を販売したとき

取引2:取引1で積送した商品が全て売れた。
委託者の仕訳

なし

受託者の仕訳
(借方) 現 金 2,000
  (貸方) 受託販売 2,000
ポイント 受託者は取引の当事者ではないので売上を計上できません
取引3:受託者は売上計算書を作成し、委託者に送付した。それによると、販売代金が¥2,000、運賃¥50、手数料¥250であった。売上は手取り額で計上する。積送品売上勘定と積送売掛金勘定を用いる。また、積送品を仕入勘定に振り替える。
委託者の仕訳
(借方) 積送売掛金 1,700
  (貸方) 積送品売上 1,700
(借方) 仕 入 1,000
  (貸方) 積送品 1,000

 ※「積送売掛金」の代わりに「委託販売」を使う場合もあります。

受託者の仕訳
(借方) 受託販売 250
  (貸方) 受取手数料 250
ポイント 計算書送付のさい受託者は受取手数料だけを計上する
取引4:受託者は受託販売の残高を委託者に現金で支払った。
委託者の仕訳
(借方) 現 金 1,700
  (貸方) 積送売掛金 1,700
受託者の仕訳
(借方) 受託販売 1,700
  (貸方) 現 金 1,700

委託販売と受託販売:荷為替手形の取り組みがある場合

荷為替の取り組みがある場合も見ておきましょう。

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取引5:委託者は販売を委託するため原価¥1,000、売価¥2,000の商品を受託者に船便で発送するとともに、船荷証券を担保として取引銀行で¥800の荷為替を取り組み、割引料¥50を差し引かれた手取り金は当座預金とした。
委託者の仕訳
(借方) 積送品 1,000
  (貸方) 仕 入 1,000
(借方) 当座預金 750
(借方) 手形売却損 50
  (貸方) 前受金 800
ポイント 委託販売で荷為替の取り組みとあったら、まだ売り渡してないからまえうけきん

となります。

受託者の仕訳
(借方) 受託販売 800
  (貸方) 支払手形 800

受託者からすると、¥800の為替手形を引き受けたことになります。

委託販売と受託販売を比較すると

ポイント 委託者の仕訳には、仕入や積送品売上が使われますが、受託者の仕訳には、仕入や積送品売上は出てきません。

ということがわかります。

委託買付と受託買付

委託買付は、他社に商品の買い付けを委託(お願い)することです。

自分の代わりに他社に商品を仕入れてもらいます。

これに対して、受託買付は、他社から商品の買い付けを委託(お願い)されることです。

仕入先から商品を直接購入するのは受託者だとしても、あくまでも取引の当事者は委託者と仕入先で、受託者は取引の当事者とはなれません。

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手付金を支払ったとき

委託者が受託者に手付金を支払ったときの処理です。

取引1:委託者は商品¥1,000の買い付けを受託者に委託し、手付金¥400を現金で支払った。委託買付勘定を使って仕訳を行う。

手付金は前払金勘定を使うこともありますが、ここでは問題文の指示に従い「委託買付」勘定で処理します。

委託者の仕訳
(借方) 委託買付 400
  (貸方) 現 金 400
受託者の仕訳
(借方) 現 金 400
  (貸方) 受託買付 400

受託者が商品を購入したとき

取引2:受託者は委託されていた商品¥1,000分を購入し、代金は現金で支払った。なお、商品引取のさい運賃¥50についても現金で支払っている。
委託者の仕訳

なし

受託者の仕訳
(借方) 受託買付 1,050
  (貸方) 現 金 1,050
ポイント 受託者は取引の当事者ではないので仕入を使用しない

受託者から委託者へ商品と一緒に買付計算書が送られたとき

受託者から委託者のもとに商品と一緒に買付計算書が送られてきたときの処理です。

取引3:受託者から委託者へ買付計算書とともに商品が送付された。委託者は買付委託時に支払った手付金を委託買付勘定で処理している。買付計算書には、商品買付代金¥1,000、諸掛り(発送運賃¥50、買付手数料¥150)、買付代金合計¥1,200、前受金¥400、差引請求額¥800と記入されていた。
委託者の仕訳
(借方) 仕 入 1,200
   (貸方) 委託買付 400
   (貸方) 買掛金 800
受託者の仕訳
(借方) 受託買付 150
  (貸方) 受取手数料 150
ポイント 計算書送付のさい受託者は受取手数料だけを計上する
取引4:受託者は受託買付の残高を委託者から現金で受け取った。
委託者の仕訳
(借方) 委託買付 800
  (貸方) 現 金 800
受託者の仕訳
(借方) 現 金 800
  (貸方) 受託買付 800
 
以上、ややこしい特殊商品売買のまとめでした。
 

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