委託販売の解き方【日商簿記2級・仕訳過去問の解き方特商】

こんにちは！

今回は日商2級でよく出題される「委託販売」の解き方をマスターしましょう！

委託販売とは

委託販売は、他社に商品の販売を委託(お願い)することです。

委託先である他社に送った商品を積送品といって手許の商品と区別します。

積送時の処理

商品を委託先(＝受託者)に送ったときの処理です。

取引1：当店は商品￥1,000を委託先に送付し、発送費用￥50を現金で支払った。

商品を仕入れたときの仕訳は、

(借方)　仕　入　×××
　　(貸方)　買掛金　×××

でした。

商品を送付し、手許から離れた場合は、仕入れたときの反対側に仕入を記入します。

• 当店は商品￥1,000を委託先に送付し
• 商品⇒仕入
• 仕入⇒費用
• 商品を送付した⇒手許から商品が減った
• 費用の減少＝貸方

(借方)　
　　(貸方)　仕　入　1,000

￥50を現金で支払っているので、現金を減らします。

• 発送費用￥50を現金で支払った。
• 現金⇒資産
• 資産の減少＝貸方

(借方)
　　(貸方)　現　金　50

商品￥1,000と発送費用￥50の合計を積送品として計上します。

• 積送品⇒資産
• 資産の増加＝借方

(借方)　積送品　1,050
　　(貸方)　

解答(借方と貸方を合体)

(借方)　積送品　1,050
　　(貸方)　仕　入　1,000
　　(貸方)　現　金　50

次は委託先(受託者)が商品を販売し、顧客に引き渡した場合です。

取引2：取引1で積送した商品が全て売れた。商品の委託先から届いた売上計算書によると、販売代金が￥2,000、梱包費￥100、手数料￥200であった。売上は手取り額で計上する。積送品売上勘定と積送売掛金勘定を用いる。また、積送品を仕入勘定に振り替える。

委託先が商品を販売し、その報告がされた時の処理です。

手数料は委託先がもらう金額のことです。

• 販売代金が￥2,000、梱包費￥100、手数料￥200であった。売上は手取り額で計上する。
• ⇒売上手取り額＝￥1,700(＝￥2,000－￥100－￥200)
• 積送品売上⇒収益
• 収益の発生＝貸方

(借方)
　　(貸方)　積送品売上　1,700

委託先に対する請求額は積送売掛金とします。

• 販売代金が￥2,000、梱包費￥100、手数料￥200であった。売上は手取り額で計上する。
• ⇒手取り額＝￥1,700(＝￥2,000－￥100－￥200)
• 積送売掛金⇒資産
• 資産の増加＝借方

(借方)　積送売掛金　1,700
　　(貸方)　

問題の指示通り、積送品を仕入勘定に振り替えます。

• 積送品を仕入勘定に振り替える。
• 積送品⇒資産
• 振り替え⇒資産の減少＝貸方
• 仕入⇒費用
• 振り替え⇒費用の発生＝借方

(借方)　仕　入　1,050
　　(貸方)　積送品　1,050　

※商品が売れた⇒売上原価を増やす⇒仕入を増やす＝借方

ということです。

解答(借方と貸方を合体)

(借方)　積送売掛金　1,700
　　(貸方)　積送品売上　1,700
(借方)　仕　入　1,050
　　(貸方)　積送品　1,050

 

※「積送売掛金」の代わりに「委託販売」を使う場合もあります。問題文の指示や勘定科目群をよく見て解答するように気を付けましょう。

 

とりあえず、

「いたくはんばい、せきそうひん」

と15回くらい口で言ってみて、「委託販売」とあったら「積送品」がすぐに思い出せるようにしましょう。

 

　↓ 委託販売がわかったという方は応援のクリックお願いします！