解説・解き方・問題文から勘定科目抽出
製造間接費実際発生額
製造間接費は費用なので、実際発生額は製造間接費勘定の借方に記入されます。
(貸方)
製造間接費予定配賦額
予定配賦率4,000円×当月実際直接作業時間1,250時間
=5,000,000円
で求められた5,000,000円が予定配賦額として製造間接費勘定の貸方に記入されます。
(貸方) 製造間接費 5,000,000
製造間接費勘定
製造間接費勘定の記入はこのようになっています。
(貸方) 製造間接費 5,000,000
つまり、5,000,000円分を予定配賦していたところ、実際に発生した金額が5,100,000円となり、実際の金額(=借方) の方が大きくなっています。
製造間接費配賦差異勘定への振り替え
借方貸方の差額100,000円を製造間接費配賦差異勘定に振り替えます。
貸方の方が100,000円少ない
➡少ない貸方を増やしてバランスをとる
➡貸方 製造間接費 100,000 として貸方を増やす
(貸方) 製造間接費 100,000
空欄の借方には製造間接費配賦差異勘定を記入します。
(貸方)
解答(借方と貸方を合体)
(貸方) 製造間接費 100,000
…差異勘定が借方➡借方差異
差異が借方にあったら借方差異となります。
本問では問われていませんが、予算差異と操業度差異を求めてみます。
そのさいは仕訳問題No.19の資料も必要となります。
直接工について、作業時間票によれば、当月の実際直接作業時間1,250時間、実際間接作業時間80時間であった。作業時間票の直接作業時間を配賦基準として、予定配賦率により製造間接費を各製造指図書に配賦する。なお、年間の製造間接費予算は64,800,000円(うち変動費24,300,000円、固定費40,500,000円)、年間の予定総直接作業時間は16,200時間である。(日商簿記2級工簿仕訳問題No.19)
- 予算差異➡製造間接費予算と製造間接費実際発生額の差異
- 操業度差異➡基準操業度における製造間接費と実際操業度における製造間接費の差異
製造間接費予算が変動費と固定費に分けられているため、操業度によって予算許容額が変化する変動予算で計算します。
変動費率:24,300,000円÷16,200時間=1,500円/時間
固定比率:40,500,000円÷16,200時間=2,500円/時間
実際直接作業時間:1,250時間
1か月当たり基準操業度:16,200時間÷12=1,350時間
1か月当たり固定費予算:40,500,000円÷12=3,375,000円
- 予算差異=製造間接費予算許容額(月額)-製造間接費実際発生額=1,500円/時間×1,250時間+3,375,000円-5,100,000円=150,000円
- 操業度差異=2,500円/時間×(1,250時間-1,350時間)=△250,000円
予算差異については、金額がプラスとなっているので予定していたよりも実際の額のほうが少なく済んだ
➡節約できた➡有利差異(貸方差異)
(貸方) 予算差異 150,000
となり、操業度差異については、金額がマイナスとなっているので、予定していたより実際の方が多くかかってしまった
➡使いすぎ➡不利差異(借方差異)
(貸方)
となります。
仮に、製造間接費配賦差異の内訳まで問われた場合には、
(貸方) 予算差異 150,000
(貸方) 製造間接費 100,000
が解答となります。
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