簿記3級を初めて受験される方の中には、仕訳だけで精いっぱいという方もいらっしゃるかもしれません。
試算表(第3問)や精算表(第5問)も仕訳が出来ればなんとかなりますので、仕訳は何としてもできるようにしておきましょう。
試験もまさに直前に迫ってきましたが、簿記を独学している場合に誤解しやすい仕訳のポイントを再度確認しておこうと思います。
仕訳のポイント
たとえば
金庫を調べてみると、配当金領収証¥1,000があったが、 まだ帳簿に記入されていなかった。この場合にすべき適切な仕訳を答えなさい。
という問題があったとします。
解答は…
(貸方) 受取配当金 1,000
となります。
配当金領収証は株を持っているともらえることがあるものですが、銀行などですぐに現金に換えてもらえるため、簿記では「現金」として処理します。
このとき考え方はこうなります。
まず問題文を見たら、配当金領収証と書いてあるのに気づきます。簿記では配当金領収証は「現金」として処理することを思い出し、「現金」は五要素(資産、負債、純資産、収益、費用)のどれにあたるかを考えます。
そして、
「現金」=資産
に分類されることを思い出します。
資産は次の図のように、左側が定位置で、本問では資産が増えるケースなので、定位置の左側に勘定科目を記入すればいいことがわかります。
(貸方)
となります。
次に貸方については、
この図のように、問題文に配当金領収証とあることから、もし勘定科目がわからなかったら、本番では問題用紙の勘定科目群も見ながら、「受取配当金」を見つけ出します。
「受取配当金」は五要素(資産、負債、純資産、収益、費用)のどれにあたるかというと、
「受取配当金」=収益
に分類されるます。
収益はさきの図のように、右側が定位置で、本問では収益が増えるケースなので、定位置の右側に勘定科目を記入すればいいことがわかります。
つまり、
(貸方) 受取配当金 1,000
となりますね。
あとは、2つを合わせると解答の仕訳となります。
ちなみに、試験ではここまでをだいたい10秒ぐらい、できれば問題文を見た瞬間にわかるのが理想です。
まとめ
このように、仕訳は問題と答えを暗記するのではなく、仕訳が完成するまでの流れをしっかり押さえておきましょう。
この仕訳ができるまでの流れの中で、実は2つ覚えておかなければならないことがあります。
1つは
- 現金が資産のグループ、受取配当金が収益のグループに属しているということ
というように勘定科目がどのグループに属するのかを覚えておかなければなりません。
現金のように馴染みのある勘定科目ならいいのですが、受取配当金のように見慣れない科目の場合は、注意が必要です。
借方 | 貸方 |
---|---|
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たとえばこんな感じで、出題される可能性がある勘定科目のホームポジションが借方か貸方か、なるべく多く覚えておいたほうがいいのです。
それから、
- 五要素(資産、負債、純資産、収益、費用)の定位置がどちらかを覚えておくこと
これが仕訳の前提となりますので、当然暗記しておかなければなりません。
この表ですね。
簿記は仕訳が肝心です。
仕訳ができるようになるため、以上のポイントを確認しておいてください!
よろしければ、仕訳問題の解き方~覚えなければいけないこともあわせてお読みください。
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