仕訳問題を解くとき問題文を全部読んでいませんか?
長い問題文を全部丁寧に読んでいたのでは時間がかかってしまい、かえってポイントがぼやけてしまいます。
問題文は全部丁寧に読む必要はありません。
仕訳に必要なキーワードだけを拾い読みしていけばいいのです。
問題文からキーワードをひろう練習を、過去問をアレンジした問題でやってみましょう。
第136回日商簿記2級仕訳問題5
赤でマークした部分をもとにどんな仕訳になるかを考えます。
キーワード
問題文からキーワードを拾っていくと
「1,000株」「1株につき¥30」「申込証拠金」「その払込額を資本金に振り替え」「別段預金は当座預金へ振り替えた。」「会社法で認められている最低額」といった用語があげられます。
「1,000株」「1株につき¥30」「その払込額を資本金に振り替え」たといったキーワードから、株式の発行の処理を行えばよいことがわかります。「会社法で認められている最低額」を資本金とするため、
資本金とすべき金額=¥15,000(¥30×1,000株÷2)
資本準備金とすべき金額=¥15,000(¥30×1,000株÷2)
と求められます。
資本金と資本準備金はともに純資産⇒純資産の増加=貸方という流れから
(貸方) 資本金 15,000
(貸方) 資本準備金 15,000
となります。
ここで、問題用紙の勘定科目群を見ると、新株式申込証拠金という勘定科目が見つかります。問題文の「申込証拠金」はこの科目を使えばいいと判断して、振り替えます。
新株式申込証拠金も純資産の科目なので純資産⇒純資産の減少(振り替え)=借方ということで、
(貸方) 資本金 15,000
(貸方) 資本準備金 15,000
一つめの仕訳が完成します。
ちなみに、資本金や資本準備金といった純資産の項目は、借入金などの負債と異なり、返済義務がないことが大きな特徴です。
純資産は返済義務がない
ということをポイントとして押さえておきましょう
「別段預金は当座預金へ振り替えた。」については、どちらも資産の科目なので、別段預金を減らして当座預金を増やす仕訳を行います。
別段預金⇒資産の減少(振替)=貸方
当座預金⇒資産の増加=借方
なので、
(貸方) 別段預金 30,000
です。
仕訳を合わせると
解答は
(貸方) 資本金 15,000
(貸方) 資本準備金 15,000
(借方) 当座預金 30,000
(貸方) 別段預金 30,000
となります。
問題文全体を掲載します。
どのような仕訳になるのか、あらためて考えてみましょう。
まとめ
いかがでしょうか?
試験本番は時間も限られているので、わかるところから書いていくのが鉄則です。
仮に処理の仕方を忘れていたとしても、なんとか問題文から推測して答えをひねり出しましょう。
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