仕訳問題を解くとき問題文を全部読んでいませんか?
長い問題文を全部丁寧に読んでいたのでは時間がかかってしまい、かえってポイントがぼやけてしまいます。
問題文は全部丁寧に読む必要はありません。
仕訳に必要なキーワードだけを拾い読みしていけばいいのです。
問題文からキーワードをひろう練習を、過去問をアレンジした問題でやってみましょう。
第137回日商簿記2級仕訳問題4
赤で囲った部分をもとにどんな仕訳になるかを考えます。
キーワード
問題文からキーワードを拾っていくと
「株を…発行」「当座預金への払い込み」「最低限の金額を資本金に組み入れた」「売小切手を振り出して」といった用語がみつかります。
「株式を発行した」場合、会社の元手が増えたため資本金を増やせばいいのですが、「最低限の金額を資本金に組み入れた」とあることから、資本金と資本準備金の合計が¥10,000(=250株×¥40)となるように、つまり資本金¥5,000、資本準備金¥5,000を増やす処理を行います。資本金と資本準備金はともに純資産⇒純資産の増加=貸方に記入します。
また同時に当座預金は資産の増加=借方を増やします。
するとこの時点で
(貸方) 資本金 5,000
(貸方) 資本準備金 5,000
となるので、わかったらすぐに答案用紙に書いておきましょう。
ちなみに、資本金や資本準備金といった純資産の項目は、借入金などの負債と異なり、返済義務がないことが大きな特徴です。
純資産は返済義務がない
ということをポイントとして押さえておきましょう
次に「株式発行に伴い発生した諸費用¥500と、設立に伴う登記費用等¥200」については、少し難しいかもしれません。
勘定科目がわからないとか、合っているか自信がないような場合は、必ず勘定科目群を見て探すようにしましょう。
可能性があるものとしては、「創立費」「開業費」「株式交付費」がみつかります。本問は単に株式を交付するというのではなく、会社設立時の株式発行の場面なので、「創立費」が正解となります。
創立費⇒費用または資産が増加=借方
小切手を振り出した⇒資産(当座預金)の減少=貸方
なので、
(貸方) 当座預金 700
となり、上記の仕訳と合わせると
解答は
(貸方) 資本金 5,000
(貸方) 資本準備金 5,000
(借方) 創立費 700
(貸方) 当座預金 700
となります。
問題文全体を掲載します。
あらためてどのような仕訳になるのか考えてみましょう。
まとめ
いかがでしょうか?
試験本番は時間も限られているので、わかるところから書いていくのが鉄則です。
株式発行時の処理を忘れていたという方がいらっしゃいましたら、一度テキストで復習しておきましょう。
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