解説・解き方・問題文から勘定科目抽出
賃率差異の計上
賃金・給料要支払額と賃金・給料の予定配賦額との差額を賃率差異に計上します。
賃金・給料要支払額=310,000円
賃金・給料の予定配賦額=300,000円
なので、賃金・給料勘定は
(借方) 賃金・給料 310,000
(貸方) 賃金・給料 300,000
(貸方) 賃金・給料 300,000
の状態になっていると考えることができます。
差異計上にあたっては、
借方・貸方が等しくなるように差異を計上する
ことがポイントです。
貸方が10,000円少ないので、貸方の賃金・給料を10,000円増やす仕訳を行います。
したがって、
(借方)
(貸方) 賃金・給料 10,000
(貸方) 賃金・給料 10,000
一方、借方は問題文の指示により原価差異勘定を用いて処理します。
(借方) 原価差異 10,000
(貸方)
(貸方)
解答(借方と貸方を合体)
(借方) 原価差異 10,000
(貸方) 賃金・給料 10,000
(貸方) 賃金・給料 10,000
原価差異勘定が借方にある➡借方差異
となります。
差異が借方にあるから借方差異です。
借方差異は不利差異ともいい、予定していたよりもお金が多くかかってしまったことを表します。
なお、136回日商簿記2級の第4問で、
「当月の労務費の実際消費額を計上する。…直接工の予定賃率は1時間当たり1,200円である。」という表現で、実際消費額=予定消費額として解答する問題が出題されています。
試験委員の先生によって問題文を慎重に読まなければならないケースがありますので、気をつけましょう。
ちなみに、「実際原価は、厳密には実際の取得価格をもって計算した原価の実際発生額であるが、原価を予定価格等をもって計算しても、消費量を実際によって計算する限り、それは実際原価の計算である。」とされています。
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