2級合格のポイント=工業簿記
日商簿記2級合格のポイントは、工業簿記を得意にすることです。
そこでまずは工業簿記をどうやってマスターしていけばよいのか、簡単な例題(仕訳問題)を使いながら理解していきましょう。
仕訳のやり方は3級と同じ
工業簿記の仕訳問題を苦手にされる方が意外に多いです。
ですが仕訳の方法は3級で勉強したのと同じなので、落ち着いて一つ一つ理解しながら進めていけば絶対にできるようになります。
つまり3級で学んだ仕訳と勘定記入のやり方さえ知っていれば、工業簿記の仕訳も簡単にマスターすることができます。
原料購入時の仕訳
例題を解きながら確認していきましょう。
原料1,000円を掛けで購入した。材料勘定を用いて仕訳を書きなさい。
原料は資産で、材料勘定を使って仕訳します。
すると、
原料➡材料
材料➡資産
原料…を…購入した➡資産の増加=借方
となるので、
(貸方)
そして、「掛けで購入した」のですから、相手は買掛金です。
買掛金➡負債
掛けで購入した➡負債の増加=貸方
(貸方) 買掛金 1,000
となります。
最後に両者を合わせると
(貸方) 買掛金 1,000
「原料1,000円を掛けで購入した。材料勘定を用いること。」の仕訳が完成します。
いかがでしょう?
次に、材料を工場に投入したときの処理です。
材料投入時の仕訳
次の例題を考えてみましょう。
原料900円を出庫し、工場に投入した。
原料が全部で1,000円分あるうちの900円を出してきて、加工を行う工場に投入しました。
この場合も原料は資産です。「原料を出庫する」ということは原料を使うということなので、その分原料を減らします。
原料=材料
材料➡資産
原料を出庫し➡資産の減少=貸方
(貸方) 材 料 900
この時点で、仕掛中(製作中)の材料が増えることになります。
仕掛中の材料は仕掛品という資産の勘定を使って仕訳しますので、
仕掛品➡資産
仕掛中の材料が増加する➡資産の増加=借方
(貸方)
となります。
最後にまとめると
(貸方) 材 料 900
の仕訳が完成です。
製品完成時の仕訳
最後に製品が完成した時の仕訳です。
製品800円分が完成した。
完成品は製品という勘定を使います。
製品は資産です。
仕掛品だった800円分が完成品となったので、製品が増えたと考えることができます。
製品➡資産
完成した➡資産の増加=借方
(貸方)
また製品が完成したということは、製作中の原料がなくなったこととイコールです。
つまり、製作中の状態を表す仕掛品が減るということなので、
仕掛品➡資産
完成した➡仕掛品の減少
仕掛品の減少➡資産の減少=貸方
(貸方) 仕掛品 800
最後に借方・貸方を合体すると、
(貸方) 仕掛品 800
という仕訳になります。
まとめ
このように材料は
- 材料を買ったとき(=材料)
- 製造中の状態になったとき(=仕掛品)
- 製品が完成したとき(=製品)
に材料➡仕掛品➡製品というように呼び方が変わります。
つまり材料の状態が変化するたびに仕訳をしていると考えることもできるのです。
買ったとき、使ったとき、完成したときにそれぞれどのような仕訳になるのかをしっかり確認しておきましょう。
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